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2.232012
小・中学生に留年?橋本大阪市長の考え
あまり、政治の話題はしたくないのですが、この議論はいつか出てくると思っていたのであえて触れたいと思います。
昨晩、橋本大阪市長が小・中学生に留年、ないし科目によっての習熟度別で1年とは限らず、その子にあった学年に戻すことを大阪市教育委員会に検討を要請しました。
橋本市長が学力の中に特別支援教育を含んだ上での発言かどうか不明ですが、特別支援教育における個別指導計画が完全に機能していればこういう議論は私はないと考えます。
確かに外国には留年制度を取っている国もありますが、そもそも現行法では、小・中学生の留年は校長先生の判断で長期欠席者を対象にしており、拡大解釈をしても学力における留年は難しいと思われます。また、世情としても受け入れられないのでは?と考えます。懇意にして頂いているある私立小学校校長は「小学校教育は目に見えないものを教育する。」と言います。すなわち、高校での大学進学率等、目に見えるものでない内面的・情緒的なものを育むことを目的としているというのです。
塾業界や学校教育の中で習熟度別はよく行われています。合理性の上では「いい教育」といえると思いますが、社会性を育てる上ではどうでしょうか?似たような支援教育で横須賀市立池上中学校で行われている科目別の教育ははたから見ていてもうまく機能していると思いますが、習熟度別とは少し違います。
問題なのは、少人数でも本人の能力にあった個別指導計画ができていない学校が見受けられたりすることではないでしょうか?極論すると障害のあるなしではなくて、本当に「今、目の前にいる子ども達にあった教育方法で適切な目標」を持っていればこういう議論はないと思います。
もし、仮に小・中学生の子ども達に学力による留年制度を設けるならば、何年生と言った呼称をやめ、社会に出て困らない最低限の「読み」「書き」「そろばん」を行い(本来、義務教育はそうあるべきなのですが・・・)、無学年制単位制とし、出来る子でも出来ない子でも6・3年制度で卒業させなければ、塾へ通う子どもが増えるだけで、この不景気で塾へ通えない子どもをどうするのかという負の連鎖が始まるだけではないでしょうか?
去年、フィリピン人と日本人のハーフの子どもが、中学生の時、日本とフィリピンを行き来し、新年度のスタート月が違うため中学3年間の日数が足りなくて、高校受験ができないといった相談がありました。日本には高校卒業程度認定試験と同様、中学卒業程度認定試験というものがあります。学力中心の考えを進めると高校卒業程度認定試験で大学へ進学するのと同様、中学校へ行かないで中学卒業程度認定試験で高校進学する手段もありになるのではないでしょうか?